施工診断

新築や改修をお願いしたところ、期待していた仕上げとは違う粗悪品に感じる、名前を信用して依頼したのに営業の口上と実際の工事手順が違う、雨漏りが出てきた・・・など施工不良を窺わせる場合に、実態を調査し本来の施工が行われていたのかどうかを診断します。
明らかな施工不良が判明した場合は、施工会社や販売元・デベロッパーなどに無償の施工是正を求めていきます。

例えば、以下のような症状を目の当たりにした時、それでも施工会社の技術や信頼性を疑うことをしませんか。

工場の床にコンクリート打ったところ、施工後まもなく、あちこちに大きなひび割れが発現しました。
サイディングの壁が垂直に貼られていません。
床下を確認したら、束や根太が継ぎ木してありました

お客様のお悩み ― こんな方におすすめ

  • きちんと施工が行われたのか不安を覚える現象が起きている
  • 施行業者にクレームを伝えても説明があやふやでしっかりとした対応をしてくれない
  • 工事の清算の前に、第3者機関にチェックしてもらいたい

施工診断の進め方

1.聞き取り調査・書類チェック

初めに、該当建物の気になる事象を聞かせて頂きます。
また保管されている設計図書・契約書・見積書などを拝見させてもらい、施工の概要を確認します。
診断の条件を確認後、お見積書を提示します。

2.施工診断 1次診断

該当建物の診断を行ないます。
依頼者の指摘部分だけを診る場合もありますが、それと気がつかない施工不良や仕様ミスが存在することが多々あります。
できる限り建物全体を先入観なしに診断いたします。

外部 外壁、基礎、屋上、外階段、外構、ベランダ
内部 内壁、床、天井、内階段

2-1. 仕上材・防水の現況調査

内外部の仕上げ・防水などの浮きや剥がれ、納まりなどを目視・打診調査をして診断します。
使用する道具は以下のものです。

打診棒
打診棒
膜厚測定器
膜厚測定器
水分測定器
水分測定器

2-2. 躯体の診断

鉄筋コンクリート造などの建物の構造部分を「躯体(くたい)」といいます。
地震などの影響で、その躯体にひび割れが生じることもありますが、ひび割れ自体は地震以外でも、さまざまな原因で起こります。
乾燥収縮によるもの、構造的な原因によるせん断ひび割れなどを、ひび割れの位置や幅を診てその原因を探ります。原因によって、その対応策が違ってくるのは当然です。
下の写真は、ひび割れ幅を測るクラックスケールです。ひび割れは幅を測ることにより、その深さが躯体に影響のあるところまで到達しているかを判断します。ひび割れ幅が0.2mmまでは、ごくごく軽傷といえますが、それ以上の場合はエポキシ樹脂の注入などの躯体補強のお手当が必要です。

打診棒
クラックスケール(0.05mm単位で測定可能)

2-3. 水平・垂直の検査

住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準によれば、床・壁・柱の傾斜の場合、6/1000以上の勾配がある傾斜がであると、瑕疵が存在する可能性が高いとされます。 床にそれほどの傾斜があれば、平衡感覚に違和感が出るなど生活をするのにも影響が出てきます。影や柱がある程度垂直でなければ、建具や家具などの納まりに不具合が生じます。

レーザー水平器
レーザー水平器

2-4. 仕様書との整合性

使われている材料のメーカー名・材料番号を調べあげたうえで、その材料が本来想定されている施工方法・標準マニュアル通りに施工されているかを診ていきます。不具合が出ているケースの多くは、材料メーカーの指定した施工方法や施工条件を守っていません。
各部位の施工方法を確認しながら、問題点をまとめます。

これらの結果は報告書にまとめ提出します。

3.施工診断 2次診断

1次診断で、その現象の原因が分からない場合は、以下の検査などで躯体や納まりを確認し、施工に問題がなかったかさらに確認していきます。

3-1. コンクリート圧縮強度検査

コア抜きした検体を耐圧試験機により荷重をかけ、破壊するまでの最大荷重を計測します。 その後、試供体の断面積で割り圧縮強度を算出します。 コア試供体の径は、最大粗骨材寸法の3倍以上とされているので、75mm以上は求められます。

試供体をコア抜きします
耐圧試験機で破壊検査をします

3-2. 鉄筋検査

鉄筋不足の懸念がされる現象が出ている場合は、検査位置を絞って鉄筋の位置・径を調査します。 RCレーダーやX線放射が有効です。前者は鉄筋の深さとピッチ、後者は鉄筋径がわかります。 調査場所の環境により、調査手段を選択します。

3-3. シール検査

コンクリートの打ち継ぎやサッシ周り、防水端部などは、シールで処理されています。 そのシールは、最低でも幅10mm以上40mm未満で、厚みは10mm以上なければいけません。 幅は表面で確認できますが、厚みは剥がしてみないと確認できません。 厚みが規定以下の場合、裏込めするバックアップ材の柔らかさがそのまま手肌に感じたり、シール自体の硬化が速かったりします。 該当部を切り取り、その場で厚みを確認して、切り取った跡にシールを充填補修します。

4.交渉サポート

調べたデータをもとに、施工会社や販売元・デベロッパーとの実際の交渉を始めていきます。
※交渉ステップは交渉相手がサイトをチェックしてきますので、サイトでは公開していません。

料金

料金はすべて税別表示です

1.聞き取り調査・書類チェック

事前調査 無料

2.施工診断 1次診断

仕上材・防水の現況診断 200,000円~/棟
躯体の診断 200,000円~/棟
水平・垂直の検査 150,000円~/棟
仕様書との整合性 150,000円~/棟

3.施工診断 2次診断

コンクリート圧縮強度試験 150,000円~
鉄筋検査 150,000円~
シール検査 60,000円~

4.交渉サポート

交渉立ち合い 50,000円~/回
質問書・要望書作成 50,000円~/回
交渉議事録チェック・作成 30,000円~/回

難易度によって単価は変わります

※上記料金に実費の旅費交通費が加算されます。
ただし現地および打ち合わせ場所が東京都23区内の場合は旅費交通費はかかりません。

事例

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