[マンション2年点検指摘事例] 屋上

1.トップコートの褪色

屋上の様子です。露出アスファルト防水が施されています。保護塗膜のトップコートが2年で褪色しています。新築施工時の材種や塗厚の 検証が必要です。

2.防水層の厚さ不良

ひさしの様子です。ウレタン塗膜防水が施されています。防水層に何かの残材の跡があります。その部分は既定の膜厚が不足していますので、ウレタン塗膜防水を塗り重ねる補修が必要です。

3.シールに亀裂、塗装の剥がれ

パラペット取合部です。シールが打たれています。そのシールに被って塗られている塗装が剥げています。

4.シールは正規の幅・厚さ不良

ルーフバルコニーの立上リ部シールが打たれていますが、シール規定の最大幅の40mmを超えて50mm近いシール幅でした。将来のシール亀裂の可能性があります。納まりを変えて規定のシール幅を確保します。

5.保護コンクリート表面不良

アスファルト防水層の保護にシンダーコンクリートが打たれています。コンクリート打設時の初期凍結と思われる霜がおりたような結晶跡が見られます。凍結層は脆くなっていますので削り取り、防水層の保護する必要があります。

6.通気塔・ドレンの錆発現

屋上の通気筒の様子です。通気筒根元に錆汁が見られ錆は内側から端部で発現しています。
排水口にゴミが入らない役目のストレーナがなく、汚泥が堆積しています。

7.貫通部廻りの施工不良

屋上に設置してある消火補充水槽です。電源貫通部のシールが欠落して完全に口が開いた状態になっています。

[マンション2年点検指摘事例] 廊下・階段・バルコニー

8.防滑シートの浮き、端部処理不良

廊下床面に敷かれた防滑シートの様子です。端部に糊がはみ出し、シール周りにカッター目が見られる雑な仕上げとなっています。端部にはシール処理がされていません。

9.床勾配・排水溝の勾配不良

バルコニー排水溝です。排水溝の勾配が取れているか水平器を使用して確認します。ドレンに向かって逆勾配になっていました。
床の滞留水の見られた箇所はレーザー墨出し器を使用して床面の凹凸を測定し、補修箇所を特定します。

10.手摺支柱根元廻りの施工は適正か

手摺壁目隠しフェンス支柱の様子です。支柱根元のカバーを外したところ、支柱根元周りの穴に モルタルが詰められてなく窪みがあり、外部から侵入した水が溜まってしまいます。


バルコニーの硝子のアルミ手摺の支柱根元です。支柱根元のカバー裏側のパラペット天端の塗装がされていません。タイル裏にボンドがなく、端部シールもされていません。

11.シール黄変不良

エレベータ扉枠周りです。シールが黄変しています。

12.サッシ埋めモルタルの肌別れ(ひび割れ)発現

サッシ皿板下部の様子です。皿板下はモルタル充填され、シールは皿板下端だけにしか打たれていません。そのモルタルが肌別れしてひび割れが発生しています。何らかの防水処理を検討したいものです。

13.鉄部塗装の剥がれ・錆の発現

メーターボックス廻りです。パネル塗装後に開けた時と思われるビス周りの塗装の剥げが、見られます。再塗装してもらいましょう。

パイプスペース(PS)扉の様子です。PS扉メッシュに錆が発生しています。

14.PS内部の施工不良

パイプスペース(PS)内部の様子です。配管パイプに塗られた耐火パテに亀裂が生じています。パテの打替えをしましょう。

パイプスペース(PS)内部の様子です。PS内の給水管の貫通部に耐火パテ処理がされていません。
PSの床モルタルが浮いて割れています。エポキシ樹脂を注入するかモルタルをやり替える必要があります。

15.タイル曲がり

廊下壁タイルの様子です。目地部のタイルの幅が均一に切断されておらず目地ラインが直線状になっていません。

タイルが水平に張られていません。目地幅が詰まっている箇所が見られます。

[マンション2年点検指摘事例] 地下ピット

16.連通管の未設置

人通口までの高さ約50cmに湧水が溜まっています。連通孔が設置されておりません。衛生的にも問題があります。

17.鉄筋足場跡

ピット底に鉄筋組立用の足場パイプが多数残っています。本来であれば、パイプ径より太いボイドを入れ、足場を組み立てれば、コンクリートの中に埋め殺ししないで済みました。頭がつぶされた足場パイプが、多数埋め殺しされています。

18.残置物、バカ穴処理

地下ピット内に残置物が散見されます。
バカ穴と称される材料搬出用の開口部の型枠せき板コンパネがそのままになっています。将来、腐食していきます。



各ピットの湧水を排水ポンプがあるピットまで誘導する連通孔周りに、コンクリートの塊が固まっています。

19.断熱欠損

居室下部にもかかわらず断熱欠損箇所が見られます。既に結露が発生しています。

[マンション2年点検指摘事例] 外構

20.漏水の検証

駐輪場のパイプスペースに漏水跡がみられます。上部は2階の基礎打継ぎ箇所になっています。
同じ個所をサーモグラフィックカメラを使用して表面の温度を測りました。漏水跡部分の温度が低く、水が侵入しているルートが見えてきます。




雨水侵入位置を梁型スレート等を撤去して確認し打ち継ぎ部分の止水処理で対応します。

21.擁壁のひび割れ

擁壁周りです。フェンス支柱の根元から擁壁にひび割れが発生し、錆汁が垂れています。
隣地境界ブロック塀です。ブロック天端の支柱埋込み周りのモルタル充填が甘く、各所に隙間があります。そこからブロック塀の目地に雨水が浸みています。

22.擁壁・フェンスの傾き

ブロック積周りです。隣地側に向かって少し傾きがみられます。

ネットフェンス周りです。フェンスが建物側内側.に倒れ込んでいます。